ダロゴーイ民族史
ダロゴーイ、寒冷の大地の民というものはアスラーンとサターニアであった。アスラーンは地を破り、サターニアは大地を駆けた。
過去、アスラーンの美しい骨を狙うものも少なくはなかった。また、元来夜行性のアスラーンは特に厳しい夜陰のダロゴーイで生き抜くための力を持った。
しかし、彼らの鋭く勁烈な力は無闇に振るわれるような暴力的なそれとは大きく違うものである。荒々しい者も多い彼らではあるが、皆一様に己が愛するものを守る堂々たるつわものであった。
彼らはいつしか、大地の民と称されるようになった。ーー
サターニアはアスラーンと同様に、死後に残る宝石を狙うものが過去には多く存在した。彼らもまた生き延びるための手段を持った。
中でも中世期には一部のサターニアは国内に騎馬民族共同体を作り、その規模、力たるものはサターニアの名を国内に轟かせた。近代化の進む現代では騎馬の役割は蒸気機関に立ち代わり、現在では最盛期より規模は小さくなったものの、広大な大地を軽やかに駆ける美しい彼等もまた、大地の民と称された。
ダロゴーイ民族史 種族の歴史1 より