高瀬企画日記

こんにちは。高瀬よいちの企画の日記になります。

ダロゴーイ民族史

ダロゴーイ、寒冷の大地の民というものはアスラーンとサターニアであった。アスラーンは地を破り、サターニアは大地を駆けた。

 

過去、アスラーンの美しい骨を狙うものも少なくはなかった。また、元来夜行性のアスラーンは特に厳しい夜陰のダロゴーイで生き抜くための力を持った。
しかし、彼らの鋭く勁烈な力は無闇に振るわれるような暴力的なそれとは大きく違うものである。荒々しい者も多い彼らではあるが、皆一様に己が愛するものを守る堂々たるつわものであった。
彼らはいつしか、大地の民と称されるようになった。

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サターニアはアスラーンと同様に、死後に残る宝石を狙うものが過去には多く存在した。彼らもまた生き延びるための手段を持った。
中でも中世期には一部のサターニアは国内に騎馬民族共同体を作り、その規模、力たるものはサターニアの名を国内に轟かせた。

近代化の進む現代では騎馬の役割は蒸気機関に立ち代わり、現在では最盛期より規模は小さくなったものの、広大な大地を軽やかに駆ける美しい彼等もまた、大地の民と称された。

ダロゴーイ民族史  種族の歴史1 より

『忘れる』ということは彼らには伝説めいたことである。

 

非力なアルビダには多種族に比べると戦力というものは極めて乏しいものであった。
しかしながら、彼らには力を補う分の戦略と戦術に長けていた。
『記憶をする』彼らには見聞きをした多種族の事情などを利用することも容易いことであり、人心掌握や情報戦の類は彼らの独擅場である。
それを卑怯だと感じるものもいるであろうが、それが非力な彼等の正攻法であった。
事実史料上には彼等が無血開城に繋げた数も多く、至って平和的な手段で国家の分裂に終止符を打った。現に彼等の能力は今日にまで渡るアルビダの国家を作り上げたと言っても過言ではないのだ。
ーーダロゴーイ建国史 第三より


ダロゴーイ国のアルビダは『(自身が見聞きしたことを)記憶をする』ということができます。会った人の名前、うっかり言っちゃった黒歴史まで色々覚えています。
この能力を活用して歴史編纂者や語り部の職諸々の職につく人が多いですが、中には今でも悪用して人の弱みを握ったりする人も少なからず存在します。
前述の通り非力な反面頭脳戦が強いのでアルビダ側が勝利して皇帝を宣言した…というところに繋がります。

先ほど今でも……といったのは大半は…『我が種族の能力は人を辱めるために使うものでない』と思ってると思います。昔は使ってたんだな!
そういった思考なのも自分たちの力で今の国ができてることに誇りを持った人たちが多いからかなあと。
あとはアルビダがこの本も書いているので上のアルビダ建国史もこんな感じに書いてると思います。アルビダ史観。
後世でなんか変わるパターンだこれ。

極寒で迷った時もそこらへんのアルビダに声をかけたら助けてくれます。道案内からあの宿なら空いてるよなんて言ってくれます。